「タイレノール」と「モートリン」
アメリカの薬局で痛み止めを買おうとしたことがある人ならば、これらの商品名を一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。
どちらも痛み止めなんだろけど、効き目で違いはあるの?何が違うの?どっちが胃に優しいの?
といった素朴な疑問を解消しましょう。
《この記事では》
タイレノールとモートリンの違いを薬剤師がわかりやすく解説しています。
それでは「成分と効く仕組み(作用機序)」、「薬の剤形(タイプ)」、「副作用」、「子供の使用」について両者の違いを見ていきましょう。
当記事では管理者がいずれかの医薬品の利用を積極的に推奨しているわけではありません。
免責事項及び健康についての注意事項はこちらをご覧ください。
比較:成分と効く仕組み
まずは成分と効く仕組みを比較してみましょう。
商品名 | タイレイール | モートリン |
画像 | ||
成分 | アセトアミノフェン | イブプロフェン |
分類 | 非ピリン系解熱鎮痛薬 | NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬) |
まず大前提として、両者は成分が違うんですね。
タイレノールはアセトアミノフェン、モートンはイブプロフェンです。
それぞれの成分が異なれば、お薬が効く仕組みも違ってきます。
アセトアミノフェン;非ピリン系解熱鎮痛薬
脳の中枢神経や体温調節を司る部分に直接働きかけることで熱を下げる作用があります。
イブプロフェン;NSAIDs
【熱、痛み、炎症】の元となる物質を作る過程を邪魔することで、
【熱、痛み、炎症】を起こりにくくする作用があります。
比較:剤形(タイプ)
両者のお薬ともさまざまな剤形(タイプ)のお薬としてアメリカの薬局で販売されています。
大人用の薬について、内服薬(お口から服用する薬)と外用薬(皮膚に塗ったり貼ったりする薬)に分けて解説していきますね。
タイレノール | モートリン | |
内服薬 | 錠剤、チュアブル状、ジェルカプセル、粉薬、シロップ | 錠剤、チュアブル状、ジェルカプセル |
外用薬 | なし | ジェル |
「錠剤」「チュアブル状」「ジェルカプセル」は
どちらからも出ていますね
ジェルカプセルは錠剤よりも効き目が早いと言われているので、即効性を求めたい方には有り難い。
チュアブル錠はラムネのように口の中で溶けていくので、錠剤が苦手な人にも優しいお薬です。
それぞれの特徴としては下記の通りです。
タイレノール
✔️大人用の粉薬も販売されている
✔️他の薬と合剤になった総合感冒薬などにも含まれている
(シロップ剤や錠剤のタイプの販売あり)
モートリン
✔️外用薬として痛み止めのジェルが販売されている
(※その用途は関節痛に限られる)
比較:副作用
両者は成分が違うため、薬が持ち合わせている副作用も変わってきます。
ここでは代表的な副作用を挙げますが、
全ての方にこの症状が起こるというわけではないですよ。
タイレノール
アセトアミノフェンは悪心、発疹、食欲不振、下痢等の副作用が報告されています。
ただしその頻度は低いです。
しかし、用量を守らず多く飲んだり、長い期間服用すると、肝臓にダメージを与える可能性があります。
用量用法を守って服用しましょうね。
モートリン
イブプロフェンは胃腸症状の副作用が報告されています。
具体的には胃もたれ、吐き気、悪心など。
これはイブプロフェンが痛みを取る過程で直接胃粘膜を刺激してしまうからなんですね。
元々胃が弱い方や胃潰瘍になったことがある方は注意が必要です。
予防するために、食後に服用することが推奨されます。
ただし、イブプロフェンは他のNSAIDsのお薬と比べると
胃腸症状のリスクは少ないとも言われています。
お薬の成分も違えば、その副作用も異なります。注意すべきポイントを抑えながら使っていきましょう。
子供への使用
どちらの薬も子供用の商品が販売されています。
それぞれ対象年齢が異なるので、確認した上で服用させてあげてくださいね。
アメリカで買える子供用の痛み止めについて、こちらの記事で詳しく解説しているの気になる方はどうぞ。
最後に
本記事ではアメリカの痛み止めとして有名なタイレノールとモートリンの違いを解説しました。
服用する時は用法用量を守り、症状が緩和されない場合は医療機関にかかるようにしましょう。
それぞれのお薬の特徴を理解した上で、自分に合ったものを選んであげてくださいね。